部会長挨拶

Greeting

「今までありがとう。私がいなくなっても元気でいてね。」

我が家の長女は素直で朗らかで真面目な愛されキャラ、傍目からはそう見えたし、将来に何の不安もないと思っていました。しかし小学校四年生の春休み、長女は目に見えて元気がありませんでした。食欲もなく口数も少なく、気づくと布団や部屋の隅でうずくまっています。大好きだったアイススケートに連れて行っても、ほとんど滑らずにやめていました。「何かがおかしい。」そう感じながらも、何がおかしいのか分からず春休みは過ぎ去り、5年生になりました。新学期、長女は体調不良が続き、発熱や腹痛で続けて学校を休むようになりました。長女は何も喋らず、毎日家で横になっていました。

「今までありがとう。私がいなくなっても元気でいてね。」

ゴールデンウイークがあけてから長女は、突然、家族ひとりひとりに宛てて手紙を書きました。最後はどれも、この言葉で締めくくられていました。私はこれを読んで、遺書だ、と直感的に思いました。心の中で緊急警報が鳴り響きました。ほどなくして、長女は一言「学校に行きたくない」といいました。命を取るのか学校を取るのかの選択に、私は迷いませんでした。そうして我が家の不登校生活は始まりました。

長女は不登校になり、とりあえず命の危険は去りました。しかし彼女は多くを語りません。不登校の理由は謎のままです。何がそんなに苦しかったのか。私は毎日考え続けました。でも考えても考えてもわかりませんでした。所詮他人の気持ちはわかりません。でも自分の気持ちならわかる。そこで自分について考えてみて、思いました。

「そういえば私も、小さいころから生きててずっとしんどかった。」

そうして「生きづらさ」というものについて考えるようになりました。

私たちのビジョンは『生きづらさを抱えた人もそうでない人も等しく幸福になれる社会』です。生きづらさを抱えていても、環境を適切に整えれば、辛さを感じずにのびのびと過ごすことができます。不登校の子どもたちは、不適合体験を通じて生きる意欲やエネルギーを奪われ、可能性や自信を奪われてきました。失敗を咎められ、好きなことを咎められ、挑戦や成長の機会を奪われてきました。私たちの居場所では、安心安全に過ごせることを大前提に運営しています。子どもたちを脅かす存在は中に入れません。そうした居場所で、のびのびと、好きなことに思いっきり取り組んでこそ、子どもたちは最高に成長するのだと信じています。

ちくご地域ユースサポート不登校支援部会 部会長 水田康弘


団体概要

Organization

団体名 ちくご地域ユースサポート不登校支援部会
英文名 cysforkids
代表者(部会長) 水田康弘
所在地 福岡県筑後市新溝613
TEL 0942-27-8432
FAX0942-27-8434
事業内容
  • 居場所事業
  • 体験事業
  • 学び事業
  • 進路相談事業
  • 個別相談

アクセス

Access

  • 所在地
    福岡県筑後市新溝613
  • 高速道路でお越しの場合
    八女インターより車で南へ7分
  • 開所時間
    月・木 13:30~17:00 / 他不定期